

| Date | 25 October 2010 |
| Caption | Sound Crew Studio Interview |
| Related links |
AWS
|
Matrix
|
Sound Crew Studio |
| For further info | Solid State Logic Japan 3-55-14 Sendagaya, Shibuya-ku, Tokyo 151 0051 Japan Tel: +81 (0)3 5474 1144 Fax: +81 (0)3 5474 1147 |

Sound Crew Studio, Tokyo, Japan — 株式会社サウンドクルー
は、1984年、コンサートに携わるスタッフ会社としてスタートし、業務の拡大と共に98年に現在の東京流通センター内にリハーサルスタジオ・レコーディングスタジオを新設。年々のレコーディング業務の拡大に伴い 2010年現在リハーサルスタジオ2部屋、レコーディングスタジオ4部屋と大規模な施設として営業されています。
今回、お話を伺ったエンジニアの今泉洋一氏は、2003年、レコーディング業務の拡張に伴いサウンドクルーに入社。同時期にSSL AWS900を導入、その後スタジオの増加に伴い2006年にAWS900+を導入。2010年、全てのスタジオのモニター環境の統一化を考えSSL MatrixをBスタ、MIX ROOMに導入。現在、4つのスタジオ全てのコンソールがSSLという環境を作られた今泉氏にお話を伺いました。
● [AWS900] を導入されたきっかけを教えて下さい。
“ 発売のタイミングがちょうど重なったという事もありましたが、やはりサウンド面で信頼がおけるという面ですね。サイズ・価格という面でももちろんありますが、どのスタジオに行ってもSSLはありますから、標準という事ですよね。それまではプロコンが入っていたので、アメックのHAを導入して対応していこうという考えもありました。元々、スタジオの考えとして大きな卓で録るというよりも個々のHAを拘ったり、出音に対して特に気をつけるなど、いわゆるコンソールにズラーッと立ち上げるような型ではなかったんです。当時の仕事の流れも変化してきましたしね。そんな時にAWSが発売されると聞き、スタジオコンセプトにぴったりハマりますし、ここでサウンド面のグレードアップをはかろうと思いました。後は、やっぱりアナログコンソールというところですね。DAW内でミックスを完結させてしまう事もありますが、やはり一度アナログを通したいと思っています。そういうことならAWSしかないと思いました。”
● どのように使用されていますか?
“基本はAWSを主に使っています。HAに関しても違うHAを使う事もありますが、チャンネルインサートのリターンに戻したりしてフェーダーに立ち上げます。もちろんEQやDynamicsも使っていますね。
ある程度AWSで作り込みを行い、Pro toolsへチャンネルアウトから送ります。モニターは、Pro toolsから2ミックスをマスターフェーダーのインサートリターンに戻しています。ミックスでは、パラで出してAWSに立ち上げる時と、2ミックスだけの時と両方ありますね。アナログの質感が得られる使い方をしています。”
● DAWのコントロールも可能ですが、どのように使われていますか?
“主にはPro toolsのオートメーションを使用する際に良く使います。以前、プロコンを使っていた時よりもフェーダーのタッチや反応が早いのでやり易いです。ダビングの際に、手前側の8ch(17〜24ch)だけDAWモードにして、録ったものを次々とコントロールしていくやり方をよくします。実際、PCの画面上でほとんどやってしまいますが、リバーブやAUXの送り量をフェーダーに立ち上げて一目で確認でき、調整できるのは便利です。DAWモードとアナログのモードとを瞬時に切り替えてフレキシブルに使うことが出来る点が他にはない一番のところだと思います。”
● [AWS900] のどのような点が優れているという印象をお持ちでしょうか?
“一言でいうならば『アナログの質感』ですね。実際、他のスタジオさんでSSLの9000や4000などを使うことがあるんですね。 その際、私自身としてはサウンド面においてはあまり大差がないかなぁと思います。 SSLモニターといいますか、SSLが導入されているスタジオとコンソール自体がないスタジオでは同じ素材でも全然質感が違うと感じます。AWSなら同じ質感(4000など)が得られると思います。しっかりとクオリティーが守られているところが素晴らしい。機能的なところだと、Mic INとLine INが独立してあり、フリップさせて使えるところです。なれてしまえばインラインコンソールのように使えますからね。もちろん音質も良いと思います。サイズ的にも24chというところもいいですね、以前はプロコンだったので8chでしたので。しかしながら48chほど使うことも減っていますから。8つのトラックバスもいいと思います。基本チャンネルアウトからPro toolsに送っていますので、まとめる用途で良く使います。例えば、Gtにマイクを数本立てて、それをまとめて1つのCOMPに送りたい時とかですね。使い勝手がすごくいいですね。 細かいところだと2chしかないですけどDynamicsがあること。使用頻度は高いです。後はアナログコンソールでありながら、DAWコントロールがしっかりできる点ですね。アナログの面は先ほど言ったようにSSLのサウンドは鉄板ですし、DAWコントロールも専用機に引けを取らない使い勝手の良さが良いですね。レーテンシーも一切気にならないです。サクサクと作業が進みますね。”
● 2006年に2台目の[AWS]を導入されましたが、主立った理由はなんですか?
“2003年にAWSを入れてからスタジオ数を増やしていったんです。2006年当時に今のスタジオ数(4部屋)の状態で、AWSが入っている部屋以外は全てプロコンが入っていました。その中で、リズムが録れる大きさの部屋があったでAWSの部屋と同じような環境を作ろうと思ったのがきっかけですね。そこで 「何を入れるか?」ということになりまして、一切の迷いもなくAWSにしました。既に3年間使っていて、使い勝手も解っていましたしサウンド面や機能面では満足していたので。コンセプト的には、その時のAWS部屋と同じものを作ろうということだったので、何の迷いもなく2台目の導入を決めました。少し違う考えだと、外部のエンジニアさんがいらっしゃった時のこともありますね。当時の流れもありましたが、特にベテランエンジニアの方はSSLで育っているじゃないですか。プロコンスタイルの時には、アシスタントがエンジニアさんに使い方を説明してあげないといけないことが頻繁にあったんです。もちろん使い慣れた方もいらっしゃいますよ。そこにおいてAWSだと特に何もなくてそのままで大丈夫なんですよ。レコーディングにおいては、スイッチの場所とかだけでいいんです。ミックスになるとDAWモードの説明はしますね。そういった幾つかの理由が有り、AWSに決めました。”
● 変化していくワークフローの中において [AWS] はどのように機能していますか?
“基本的には今も導入時も、使い方やワークフローの中における立ち位置は変わっていませんね。それまでの流れもありましたが、導入当時はインラインコンソールでは無いという点を色々と言われることはありました。どうしてもSSLというとインラインコンソールのイメージが強いので。でも、内部ミックスでほとんどやってしまう方が増えていき、流れも変わってきたのでインラインのことは言われなくなってきました。 インラインの使い方をされていた方々もだんだんとPro tools内でバランスをとって、立ち上がっているフェーダーは一切動かさない様になってきたんですよ。つまり、アナログの質感が欲しいからという感じになっていきましたね。それに対してはAWSで十分対応でき、変化していく流れの中で変わらない安定したサウンドを提供できるので大丈夫です。録音メディアがテープ媒体からPCに変わって、Pro toolsなどのDAW環境になっても結局やるべきことは何も変わっていないと思います。もちろん、DAWの進化で時間の短縮や便宜性は大幅に改善されましたが、一つ一つの重要性やサウンドクオリティーの向上など常に大事な課題のようなものは変わらない以上はAWSの立ち位置は今も以前も同じままですね。”
● 2010年の今年、SSL [Matrix] を2つのスタジオに導入されましたが、どのようなお考えで決めたのでしょうか?
“まず、全スタジオをSSLモニター環境にしたいという考えからです。今回Matrixを導入したスタジオは、普段ダビングとミックスで使うことが多いスタジオなんです。それまではプロコンが入っていましたので、ダビングの際に複数のチャンネルをバスなどでまとめるということができなかったんです。そこで、それをする為にラインミキサーの導入を考えていたのですが、その為だけに入れるのもなんだかバカらしいと思っていました。そういった環境で、SSL Matrixがあることを思い出しました。Matrixを入れれば、モニター環境が全てSSLでそろうし、アナログで立ち上げることもできる、問題であったチャンネルのまとめもバスを使うことで可能となり、プロコンと同じ様にDAWのコントロールもできるという全てが解決してしまうのでMatrixに決めました。”
● 導入されてどのように使用されていますか?
“基本Gtや歌などのダビングで使うスタジオと、MIX ROOMに導入しました。Matrixはラインミキサーなので、外部のHAに入れてからチャンネルに立ち上げ、RECバスからPro toolsへ送っています。モニター側は、Pro toolsからMatrixのMIXバスのインサートリターンに入れています。 AWSと同じような使い方ですね。ここでもしっかりアナログの回路を通るので、質感は得られます。MatrixにはMIXバスとRECバスというステレオミックスバスが2つあるのでダビングをスムーズに行っていけますね。DAWモードに関しては、AWSと同様にPro tools側のオートメーションの調整設定に使っています。DAWモードを駆使して作業していくというよりも、一度Matrixに立ち上げることによってのアナログの質感を得るというところを重要視しています 。内部ミックスだけでは出せないところ(特に音に関して)が大事だと思っています。Line INとDAW INで別々のインプットがあるので用途によって切り替えて使えるところが、AWSと同様にサウンド面の幅や使用方法が増えていきますね。”
● [Matrix] 専用のコントロールソフトウェア Matrix Remote にはどのような印象をお持ちですか?
“コンソール側に立ち上げるチャンネルのネームやインサートのルーティングの際によく使っています。特に、インサートにかんしては外部のMic Preからフェーダーに立ち上げる時に非常に便利ですね。設定をリコールできる点もセッションごとに管理できますし。”
● 現在、AWS 2台、Matrix 2台と全てのスタジオのコンソールが SSL ですが、この環境をどのようにお思いですか?
“SSLモニター環境で統一したいという考えが今にいたっています。もちろん、機能面においても重要ですが私の思いではやはりアナログ質感が得られることに満足しています。最近は内部ミックスで終わらせてしまう方が主になったり、大型コンソールをフルで使うことが減ってきたりと流れ自体が変化してきていると思います。そこにおいて、AWSがあればリズム録りに関しても対応できますし、Matrixがあればアナログの質感にかんしてもしっかりと得ることができると思います。一昔前の大型コンソールがないとできないという感覚はありませんね。十分、今の環境でできていますから。サイズが小さくなってもしっかりSSLサウンドが保たれているので、問題はないと感じます。ベテランのアーティストさんやエンジニアさんからも満足のお声をいただいていますね。私の考えではありますが、現在のワークフローにキレイにハマっていると思います。”
● 今後の Sound Crew さんの方向性としてはどのようにお考えでしょうか?
“あくまでも私個人の意見ではありますがSound Crew全体として上手く機能していければと思っています。Sound Crewの一番のメインは楽器レンタルと機材のお預かり管理なんです。 機材をお預かりしているアーティストさんがそのままレコーディングされることも多々あります。 ですのでレンタル業務とスタジオ業務がうまく重なっているところがあります。 リハーサルスタジオも2部屋あるので預かっている機材をそのままリハスタで使えます。つまり運び代がかからない訳です。レコーディングに関してはもちろん機材を持ち込んで利用できますが、持ってこない方も多いんです。なぜなら、Sound Crewにある機材は全て使い放題なんですよ。楽器から全てです。これはどこのスタジオにもない武器だと思います。出音に対して強いこだわりのあるアーティストの方には、色々試してもらうことができるので好評です。そういったサウンドメイキングの中においてもAWSやMatrixはやはり必要だと考えています。
ご利用頂いているお客様も様々です。バンド系から歌モノと、4つのスタジオを用途に合わせて利用して頂いています。MIX ROOMでも軽いアンプなら鳴らせるブースもあるので、使い方は様々ですね。
希望としては、Aスタもしくは Cスタ(AWS部屋)でベーシックを録り、Bスタ(Matrix部屋)でダビングをして、MIX ROOM(Matrix)でTDをするというのがスタジオとしては理想です。
そして、その方がツアーのリハーサルを(リハーサルスタジオで)して、そのツアー自体も同行できるのがイイですね。やはり楽器レンタルが強いので、スタッフとして一番多いのはローディ–なんです。人数的には50名ほど在籍しています。 ちなみにレコーディングチームは10名です。PAチームも居ますので、全体で100名ほどになります。音楽制作におけるほぼ全てに対応できるようになっています。レコーディング時でも、Dr テクニシャンなどのローディーをプラスできるという付加価値をどんどん付けていける強みがあるんです。オールインワンで使って頂けるような展開を今後は作ってきたいですね。
”